俺の独り言(シニア男の本音トーク)のブログ

台湾東部、花蓮に家族で移住したシニア世代に突入した中年男の本音トーク。同年代に送り届けたい独り言。若い世代に残したい独り言。

信念を貫くためには、まずは、自分との闘いに勝たねば

俺は時々、変な事が気になる。
例えば、乗馬。一体、誰が最初に馬に乗って移動するなんて事を思いついたのだろうか。
西部劇や時代劇では、ごくごく当たり前の様に馬に乗って人は移動している。
でも、最初にこれを思いついた人は、偶然だったのだろうか。


まあ、世の中には偶然という事はないと俺は思っている。偶然はすなわち必然であったと思っているからだ。しかし、人は、最初からその事柄が必然だったとは思わない。だから偶然という言葉を使っているだけで、結果的にはやはり必然だったという事になる。


これは想像でしかないが、この世で一番最初に馬に乗った人も、最初は周りの人に笑われたのではないかと思う。「人が馬の上に乗っている。あいつは馬鹿じゃないか」ってね。
ところが、その便利さに人々は気が付き、いつの間にか当たり前になった。
そして長い年月が経った今でも、乗馬は続いている。


最初に馬に乗った人と出会った人は、その光景をどのように思ったのだろうか。そして、その光景をどの様に他の人に伝えたのだろうか。
面白、可笑しく伝えたのか。驚きと感動として伝えたのか。
その伝え方ひとつで、受け手側の印象は大きく変わるものだ。
中にはその行為を馬鹿にし、笑い飛ばした人もいただろう。
しかし、世界中に今でも乗馬があるという事は、初めて馬に乗った人は、周りの評判などお構いなしに、自分の信念を貫いたのだろう。


こういった事は他にもたくさんあると思う。


俺が今、研究している東台湾開拓史においても、誰も手を付けなかった東台湾に、民間人として初めて入植し、首狩り族だった原住民の攻撃、マラリアと闘いながら、見事に、台湾で初めての日本人移民村を作った賀田金三郎氏という人物も、周りからは「国の援助もなく、私財を投下して、何故、賀田は東台湾開拓などしているのだ」と陰で笑われていた。しかし、彼は、自分の信念を貫き、東台湾に移民村を作り、製糖工場を作り、軽便鉄道、道路の整備も行った。それが、後の、国営日本人移民村の基盤となり、東台湾発展へとつながった。


また、同じく、東台湾で台湾初のコーヒー農園を作った国田正二氏も、農業指導として台湾総督府から派遣された瑞穂という場所で、稲作は不向きな土壌と判断し、コーヒー栽培を始めた。当然、その時代の政府にしてみれば、コーヒーよりも米の方が必要だったはず。猛反対にもあったと思う。しかし、国田氏は、「地元の人々が生きていける糧を与えることが重要」という信念の元、コーヒー農園を開拓。結果、当時の宮内庁御用達のコーヒー農園までに育て上げた。そして、今も、そのコーヒー栽培は受け継がれている。


信念を貫き通すという事は本当に並大抵な事ではないだろう。
まずは、自分自身に勝たなければ、信念は貫き通せない。世間に対しては、自分の考えを押し通していれば済むが、それに対する反論、反発もある。人は決して強い生き物ではない。自分の周りから賛同者が離れていくと、不安にもなるし、くじけそうにもなる。
しかし、自分自信の心に「絶対的なもの」があれば、如何なる状況下におかれても、信念は貫き通せるものだ。
もちろん、信念を貫き通す上で、確固たる理由、自信がなければならない。単に、思いだけで通すのは信念ではなくわがままになるからだ。
信念とわがままは大きな違いがある。その点を取り違えている人も多いように思う。


それと自分を「絶対的な存在」とは思わないことだ。有名になればなるほど、自分を絶対的な存在と勘違いしている奴が多い。故に、その自分に逆らうもの、反論するものは敵とみなし、攻撃をする。完全否定をする。これは誠に愚かな人間だ。


自分自身の心に「絶対的なもの」を持て、しかし、「絶対的な存在になるな」。矛盾しているという人もいるだろう。そう、一見、矛盾しているように思えるよな。
しかし、大きな違いがある。「絶対的なもの」を心に持つというのは、人の意見にもしっかりと耳を傾け、最初から否定はしない。受け入れられる部分は素直に受け入れる。その事により、自分の考えをさらに強くしていく事だ。
「絶対的な存在」とは、自分が一番正しい。自分よりも上はいないと思い込んでいる人間のことだ。故に、反対意見には一切耳を貸さず、最初から否定するというところから始まる。


いつもいう様に、完全、完璧な人間など存在しない。人間は皆、未完成なんだ。どんなに有名で、偉い人でも未完成なのだ。死ぬまで人は未完成。だからこそ、違う意見にも耳を傾け、少しでも自分自身を成長させる事に励むべきなのだ。


親は子供のいう事に耳を傾ける。すると、思いもしなかった発見、気づきがあるものだ。子供から学ぶことも多い。
上司は部下のいう事に耳を傾けることだ。そこには新しいアイデア、ヒントが数多く隠されている。自分が当たり前と思い込んでいたことが、そうではないという事にも気づかされる。
夫は妻のいう事に耳を傾けるべきだ。男ではわからない、気がつかないことがわかる。
妻も同様だ。知っていると、理解していると思っていた夫に対し、新たな優しさ、弱さに気が付くことがある。


「信念」、信じて念じ続ける。そのためにも、まずは、自分自身の弱さと闘い、自分自身の強情さと闘い、自分の欲と闘わなければならない。
そして、あえて、反論者の意見に耳を傾ける余裕と謙虚さがなければならない。


信念を持って物事を始めれば、必ず、達成できる。俺はそう信じて今日も生きている。

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