俺の独り言(シニア男の本音トーク)のブログ

台湾東部、花蓮に家族で移住したシニア世代に突入した中年男の本音トーク。同年代に送り届けたい独り言。若い世代に残したい独り言。

俺の営業スタイル。あなたの営業スタイル。皆、違うはず。

以前、俺の知人と話をしている時だった。「サラリーマン時代はどの位給与もらっていたの?」と質問された。俺がサラリーマンを始めたのは今から20年前。バブル崩壊後の日本だった。5年間のサラリーマン生活だったが、最終、39歳の時点で年収890万円あった。当時としては給与はよかった。
「どうしてそんな給与もらっていて、会社を辞めたの」と言われた。色々と理由はある。決定打は一つでも、そこに至るまでのモヤモヤが一気にその時に爆発したと言えるだろう。そのモヤモヤの中でも今でも忘れられないのが、国際事業本部が解散になって、国内支店勤務をしている時だった。本社の人間が支店視察に来て、俺の営業に同行活動する事になった。
俺の営業成績は自慢ではないが常に支店トップクラスだった。全国で見た場合も、トップクラスに入っていた。俺の会社の営業マンには、正社員と独立事業主(完全出来高歩合制)の二種類があり、俺は正社員だった。正社員が営業トップクラスというのは珍しく、後で聞いた話では、正社員ではトップだったそうだ。
その秘訣を知りたいという事で本社事業本部の社員が俺と同行営業するという。
俺は正直、同行営業することはあっても、されるのは嫌いだ。俺のペースを崩されたくないから。それに、俺の営業方法は他の人達とは大きく異なっていて、表面だけをみていたら、単にさぼっているとしか見えないからだ。


朝、支店業務を終えると営業に出発。まず向かうのが、喫茶店。そこで、のんびりとコーヒーを飲む。喫茶店に入るのが9時半ごろ。約一時間ほどは喫茶店に居る。そこのオーナーさんと色々と話をしながら、コーヒーを飲む。そして、10時半頃にまずは、目星をつけた会社に挨拶に行く。しかしあくまでも挨拶。一切そこでは営業の話はしない。
ある程度担当者の方と親しくなると、その方に挨拶した後、社内や工場内を見学させてもらう。これもあくまでも見学。営業の話はしない。


昼になるとまた喫茶店へ直行。朝とは違う喫茶店。そこには、色々な業種の営業マンが昼食にやってくる。その地域に根付いている営業マンはだいたい、12時半過ぎから1時頃に昼食にやってくることが多い。流しの営業マンほど、12時にやってくる。俺は、12時半と決めていた。喫茶店に行くと、顔見知りの他社の営業マンがいる。そこで、互いに情報交換。業種が違えば、視点も違い、情報入手スピードも違う。
親しくなった営業マンなどは、こちらが頼まなくても勝手に営業をしてくれる。会うと「〇〇に商品持って行ってね。担当者は〇〇さんだから」という感じ。
もちろん、こちらも自分のお客様にはならなくても、他社の製品、担当者を売り込んである。お互いにギブアンドテイク。


俺はまず、飛び込み営業はしない。ご縁のないお客様は必ず離れていく。まずは、ご縁作りに勤しむのが俺の営業スタイル。
固定観念にも一切捕らわれない。常に、俺のスタイルを貫き通す。営業マンがブレていると、それはお客様の不安につながる。だから、スタイルは一切変えない。


昼からも多い時で三軒の喫茶店へ行く。コーヒー好きなので苦にはならないし、苦だと思うなら最初からそのようなことはしない。


こうやって、俺の営業スタイルを本社の社員が来た時もやった。それから数日したある日、支店長から、「本社の〇〇本部長のところへ行け」と言われた。
お偉方が俺になんの用があるのかと思い、本社へ出向くと、その本部長という方が待っていた。開口一番、「お前は真面目に仕事というものを考えているのか。毎月、営業成績は良い様だが、何か不正をしているのではないか」と怒鳴られた。
俺にはすぐにわかったね。同行営業した人間が本部にどのように報告したが。
そして言われたのが「もっと正念入れて、真面目に仕事しなければ、居場所がなくなるぞ。今の様な高給は他社ではもらえないのだから」と言われた。
俺は「自分の給与に見合う仕事はしているつもりです。私の営業スタイルを見て、不真面目にしか見えなかった方の方が、給与に見合う仕事をしていないのではないでしょうか。
営業が何たるものかを理解できる方を次回は送り込んでください。営業の素人が作った営業マニュアルで成績が伸びるのなら、この世の営業マンは必死に知恵など絞りません。
この様な体質だから、独立事業主さんからも本部批判が出るのではないかと思います。
私は恥じるような営業はやっておりません。不正など一切ございません。もしも、どうしても、私の営業スタイルが恥で、不真面目だとおっしゃるならば、納得のいく説明をして頂きたい。」と嚙みついた。こんなだから、サラリーマン失格なんだろうが、俺は、支店に配属になり、営業をやれと言われた段階から、営業を極めると決めていた。そのためには、誰かの真似ではダメなわけだ。自分のオリジナリティーを出し、自分にしか出来ない営業スタイルを確立するしかないと思った。
そして行き着いたのが、商品を売るのが営業マンではなく、人とのご縁を作ることが営業マンだと思ったのだ。


まあ、営業スタイルには各人の考えがあるだろうし、俺のスタイルが必ずしも正解だとは思っていない。俺に向いたスタイルだったのだろう。


俺が一番嫌いなのは、まず、金儲けの為にだけ何かをするという事。そして、知らないのに、知ったかぶりする事。最後に、相手の居ないところで、コソコソと批判、誹謗中傷する事だ。


サラリーマン失格の俺だから、偉そうなことは言えないけど、今の自分に与えられた仕事。誇りを持ち、そして、自分スタイルというものを持って欲しい。マニュアル人間だけの会社は、予想もしない危機を迎えた時、ぶっ倒れるぜ。
俺はそう思うけどなあ。

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