台湾のもう一つの真実の顔
一昨日、花蓮は日中、ついに40度を超えた。
年々、暑くなる時期が早くなっている。「地球温暖化」っていうやつなのか。
花蓮の場合、湿度がさほど高くないので、木陰に入れば、風は気持ちがいい。
だからまだ、40度になっても過ごしていける。
俺の体調は相変わらずだ。耳鳴りは続き、めまいもまだ残っている。
しかし、じっとしているのが本当に苦痛な俺。車の運転はまだまだ無理なので、仲間に運転をしてもらい、俺は助手席でお客様の案内をするという方法で、長時間でないお客様に対してのご案内を再開してみた。もちろん、毎日とはいかない。昨日も朝から昼過ぎまで、ご案内をさせてもらったが、今日はお休み。まあ、無理しても意味がないし、ボチボチやっていくしかないだろうなあ。
日本では参議院選挙戦が始まり、色々なところで、様々な人が、支持政党の応援や、反対勢力の批判をやっているな。
世界情勢もイギリスのEU離脱で騒がしくなっているし、アメリカも大統領予備選挙戦が激化している。
台湾も、政権が交代し、初の女性総統が活発に動いている。
これから世界はどう変わっていくんだろうなあ。俺の様な凡人には想像もつかない。
「平和」を願いながらも、未だに、地球のあらゆる場所で戦争は続いている。
罪もない人々が殺されている。
戦争だけじゃない。普通に道を歩いていても、いきなり暴走車が突っ込んで来たり、見知らぬ人に刺されたり、些細な事で殺人事件につながったり。
台湾でも同じだ。日本ではほとんど報道されていないが、連日の様に、殺人事件が発生している。しかも、拳銃を使った事件が多い。さらには、若者による集団暴行、殺人事件が多発。
台湾の警察官は、すぐに発砲するって事もあまり知られていないよな。
職質の際、逃亡しようものなら、車に向かって数十発、発砲する。威嚇射撃も、一発なんてかわいいものじゃない。
それが、白昼、人通りが多い場所でも関係ない。
逆に言えば、それだけ、拳銃所持者が多くなっているため、警察官も命がけなんだ。
だから台湾の警察官が所持している拳銃は、日本の様に、6発装填の様な可愛いもんじゃない。オートマティックの30発ほど装填できる拳銃。パトカーには、カービン銃と呼ばれる大型の拳銃も装備されている。
時々、夜に検問をやっているが、その際は、全員が銃を構えている。
大型の銃を持った警察官が2名、拳銃に手をかけている警察官が2名、そして、検査をする警察官1名。さらに、少し離れた場所には、パトカーが2から3台止まっており、いつでも発進できる状態にしてある。
普段、警察官が巡回の際に乗るオートバイは、125ccのスクータータイプだが、すべてにサイレンが付いている。日本の様に、白バイだけというのではない。
台湾の警察官は、自分が摘発した事件・事故に関しては、調書の作成までやらなければいけない。刑事もいるが、日常的な交通事故、窃盗、暴行、詐欺等々の犯罪に関しては、ますは、制服警官が調書を作成、その後、調書は検察へ提出される。日本の様に、制服警官は現場、取り調べは刑事というシステムではない。故に、警察官の仕事は膨大なもtのであるため、過酷な勤務だ。
その分、退職後の福利厚生はすごい。だいたい、一般の制服警官の場合、50歳で早期退職する人が多い。退職後は現職時代とほぼ同じ金額の恩給が毎月支給される。
だから、早期退職し、後は、夫婦で海外旅行を楽しんだり、田舎へ引っ越して、のんびりと過ごしたり、飲食店を始めたりという人が多い。
花蓮では元警察官というドライバーガイドさんも多い。俺の仲間にも数名いる。
台湾は安全な国なんて信じ込んでいる人も多いけど、その認識は変えたほうがいいと俺は思うね。日本人観光客ほど無防備な観光客はいない。それは、情報がきちんと伝わっていないからだろう。アメリカ観光へ行けば、夜の街を一人で歩いたり、女性一人でタクシーには乗らないよな。台湾でも同じだ。
忘れてもらっては困るのは、台湾といえども、海外ってこと。
日本じゃないんだ。同じような気持ちでいたら、何時、どこで、どんなひどい目に遭うかわからない。海外で犯罪に巻き込まれたら、言葉も通じない、法律も違う。考えただけでも恐ろしいってことだよ。
台湾通と信じ込んでいる観光客が、レンタカーやレンタルバイクで、台湾を旅する人がいるが、「絶対に事故に遭わない」保証などない。一度事故に遭遇すると、相手が日本人だとわかると、徹底的に責任を日本人に押し付けてくる。そうなると厄介だ。
非が相手側にあっても、それを証明するために莫大な時間が必要となる。まして、こちら側に非があれば、賠償金だけでは済まない。刑事裁判終了まで帰国は出来ない。最低、1年はかかる。俺も、信号で止まっている時、相手方が居眠り運転で後ろから激突された事があった。妻が軽いむち打ちになり、病院に運ばれた。完全に相手方に100%の責任がある。にも拘らず、賠償金を支払ってもらうまでに、1年近くかかった。
何度も何度も、調停、裁判を繰り返し、信じられないほどの時間を費やした。
さらに、刑事裁判にも証人として出廷しなければならない。
親日派で有名な台湾。日本からも近い。日本語も比較的通じる。日本人には気軽に来れる海外が台湾。
最高の台湾旅行を楽しんで欲しい。だから今日はあえて、台湾のもう一つの真実の顔を紹介させてもらった。
くどい様だけどもう一度言わせてもらうぜ。台湾も海外だってこと、外国だってことを忘れないで欲しい。