離婚について皆さんはどのような考えを持っているだろうか。
一人の男と一人の女が、何かの縁があって出会い、愛し合い、結婚した。結婚した時、離婚など自分には絶対に有り得ないことだ、縁のないものだとみんなが思っている。
しかし、夫婦になってみて見えてくる相手の欠点。その欠点が徐々に大きくなり、結局は結婚生活を続けていく事が困難になり離婚へと向かう。

実際は、交際期間にその欠点は見えていたはずだ。しかし、恋愛時代は、欠点よりも長所ばかりが目に付く。だから、多少の欠点は、長所がカバーしてくれると思っている。愛は盲目ってやつだな。しかし、これが大きな間違いだ。相手の欠点を完璧に許せるならば構わない。しかし、少しでも「もう少し何とかならないものか」と思っているのなら、正直に相手にその事を伝え、直してもらえるようにすべきだ。どうしても直らない場合は、はっきり言って、結婚はすべきではない。
しかし、頭ではわかっていても人間は愚かな生き物。結婚してしまうんだなあ。

よく「子供がいるから、子供のためにも離婚は出来ない」という意見を聞く。確かにそうかもしれない。子供には両親が揃っている事が理想的だろう。しかし、冷え切った夫婦関係を子供達に見せ続ける事が本当に正しいことなのだろうか。
これに関しては明確な答えはない。個人個人に考え方が違う。
また、離婚したくても、女性の場合、特に、専業主婦の場合、離婚後の生活が心配だよな。一時的な感情で離婚なんてしてしまうと後が大変だ。

俺は離婚は仕方ない事だと思っている。俺自身も離婚経験者だから言う訳ではない。しかし、愛が冷めてしまい、一緒に生きていても何も見いだせない相手と、ただ紙の上の夫婦関係を続けていても何も意味はないと思う。
まだまだ日本の社会には、離婚＝犯罪の様な感覚があるよな。離婚に対して世間の眼は冷たい。これは経験した者しかわからない世間の眼だ。

そりゃあ、離婚せずに一生を愛する伴侶と歩めることは理想的なことだろうが、そう出来なかった人もいる。好きでそうなったのではない。たまたまご縁がなかったというだけだ。
離婚願望者は多いと思う。しかし、実際に離婚という行動に出れる人は少ないのだろう。

離婚する際、十分に用意は必要だ。まずは、離婚後の生活。別れた夫からの養育費や慰謝料など当てにしてはダメだ。いくら離婚裁判で判決が出ても、相手に支払い能力がなければどうする事も出来ない。
人を頼らず、自分の力で生きていく道をしっかりと見つけておく必要がある。これは絶対に怠ってはいけない。
若い頃に離婚すれば、就職先もあるだろうが、熟年離婚なんてことになると、この点が大変だ。そう簡単には就職先は見つからない。
離婚すれば、今までは夫の扶養家族として、保険も年金も夫の給与から自動的引き落とされていたし、配偶者控除も受ける事が出来た。しかし、離婚すれば、保険、年金、税金すべてが自分の肩にのしかかってくる。
持ち家で、離婚の際に夫から家をもらったと喜んでいてはいけない。固定資産税が発生する。光熱費も発生する。気が付かなかっただけで、離婚することによって色々なお金が発生し、そのお金を稼がなければ、生きていけないのが今の世の中だ。

離婚って結婚するときよりも何十倍、何百倍の気力と体力を使うと言われている。本当だ。しかし、それ以上に大変なのが離婚後だ。

離婚を避ける方法。それはただ一つ。夫婦の会話だ。俺と同じシニア世代のオジサン達よ、「俺の妻は大丈夫」なんて思っていたら大きな間違いだぜ。
今、こうしている間にも、妻はあなたとの離婚に向けて密かに準備しているかもしれない。女性は男性以上に、そういった点は隠密に行動できる。
男性諸氏よ、男は浮気するとすぐに妻にバレルけど、女が浮気すると夫には簡単にバレないもんなんだぜ。それだけ女性は賢いって訳だ。
考えてみなよ。定年を迎えたその日に、妻から「長い間お疲れさまでした。今日であなたが定年を迎えられたように、私も今日で、妻を定年させて頂きます」なんて言われて、家を出ていかれたら、老後は本当に寂しいものだぜ。惨めだよ。

そうならないためにも、妻との会話、夫との会話を重要視して欲しい。

一日一回、夫婦で色々な話をする時間を必ず作る努力をすべきだ。いいかい、会話だよ。愚痴を言い合うのではない。相手の話を聞いて、それに対し、きちんと返事をする。相手の悪い点を責めるのではない。褒める時間なんだ。感謝し合う時間なんだよ。

俺は、嫌な相手とはさっさと離婚して次へ向かって進めばいいと思っている。と、同時に、そうならないためにも、夫婦の会話の時間を作ることが離婚回避の一番の方法だとも思っている。
でもな、会話が出来なくなったら、結果は離婚しかないだろうなあ。互いに覚悟を決めてな。