俺の独り言(シニア男の本音トーク)のブログ

台湾東部、花蓮に家族で移住したシニア世代に突入した中年男の本音トーク。同年代に送り届けたい独り言。若い世代に残したい独り言。

明日にまわせるものに、今、向き合う必要はない。趣味=残業なんて卒業しようぜ

俺は大学を卒業した後、大学の研究室に残り、法律を勉強していたが、25歳の時に台湾へ来た。それから10年間は台湾生活。その後、父親が急死したため、母の涙に負けて日本へ戻った。日本で約14年。サラリーマン生活も経験し、脱サラして自分で会社も興した。そして、2009年に、再度、家族全員で台湾へ移住した。まあ、俺にしてみれば、14年ぶりに戻るべきところへ戻って来たという感じだ。


俺は社会勉強の場は台湾だった。それ故に、日本に戻って、35歳からのサラリーマン生活は本当に苦労した。能力に関係なく、年功序列の上下関係。女性社員の軽視。派閥争い。日本の会社ではごくごく普通の様々な出来事が、俺にとっては不思議な世界でしかなかった。理解不能な世界と言っても過言ではないかった。


台湾は実力主義の世界。会社名というブランドではなく、どんな内容の仕事をしているかに重きを置き、男女問わず、独立精神が旺盛。そのため、自分のスキルアップになるならば、平気で大手企業から中小企業へと転職する。女性幹部、女性重役、女性社長など珍しくもない。電車の運転手、バスの運転手、タクシーの運転手が女性というのは、台湾ではごくごく自然な光景。軍隊でも女性パイロットもいるし、警察でも女性署長もいる。
とにかく、男女実力主義社会なのだ。


その分、女性も本当によく働く。寿退社など有り得ない世界。妊娠しても、ギリギリまで会社で働き、会社で「あれ?ちょっと陣痛が始まった様なので、病院へ行ってきます」というのもよくある光景。
出産後も、約1か月足らずで職場復帰する。子供は両親に預けたり、ベビーシッターを雇ったり様々。


そして日本との大きな違いは、無駄な残業は一切しない。
俺が日本で働き始めたころ、17時30分の終業時間を迎え、「では、お先に失礼します」とあいさつすると、「どこか体調でも悪いのか?」と上司から言われた時は驚いた。
終業時間になり、俺の勤めていた会社では終礼があるのだが、終礼が終わると、皆、普通に自分の席に戻り、パソコンを触っている。正直、「帰れない空気」が事務所中に漂っている。俺が配属になったのが、国際事業本部だったので、海外支店とのやり取りがあり、時差の関係で皆は残業していると最初は思った。当時はまだ、台湾に支店があるだけだったので、台湾の17時30分、日本時間18時30分まで居残っていればいいと思ったが、その時間を過ぎても誰も帰らない。そっと、先輩のパソコン画面を覗いてみると、なんと、ゲームやってるじゃないか。そう、別に仕事があるから居残っているんじゃない。とにかく、「19時頃までは会社にいなければならない空気」が染み込んでいるだけなのだ。
まあ、俺も途中入社の身なので、最初の頃はこの空気にお付き合いしていたが、2か月のすると、そんな空気も気にせず、仕事のない時は定時で退社するようになった。
よく先輩からは「お前は日本人の皮を被った台湾人だな」と皮肉を言われたが、俺も先輩に対して「明日にまわせるものに、今、向き合う必要性を感じないので」と言い返した。
いやー、嫌な部下だったよな(笑)


俺が台湾で経営していた会社も、日本で経営していた会社も、必要以外での残業は認めていなかった。常に「明日にまわせるものに、今、向き合う必要はない」と言って、社員達を可能な限り定時で退社させた。定時で退社し、少しでも早く家に戻り、自分の時間、家族との時間を大切にしろと言い続けた。
そうしていくと、月末や年度末の忙しい時期でも、社員達は時間内に仕事を終わらせる事が出来る様になっていった。要は、残業しないために、普段から段取りをきちんと決めて、一日のスケジュール、一週間のスケジュール、一か月のスケジュール、一年のスケジュールを自分たちなりに組めるようになったのだ。


皆さんの会社では「帰れない空気」、漂っていませんか。もしも、残業が趣味だと言う方は、そろそろその趣味から卒業しましょうよ。
会社内の常識は一度、非常識と考えて見直す事、それが、俺達シニア世代の役目だと思うね。


家庭内での時間、自分の時間を持てない人間、持たさない会社は、崩壊していくと俺は思うね。

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