俺の独り言(シニア男の本音トーク)のブログ

台湾東部、花蓮に家族で移住したシニア世代に突入した中年男の本音トーク。同年代に送り届けたい独り言。若い世代に残したい独り言。

今の自分の地位があるのは、現場で頑張る若者がいるからだ。

セブンイレブンの加盟店でアルバイトをしていた女子高生。風邪でバイトを休んだため、ペナルティーとして10時間分、9350円をバイト代から差し引かれたという件について、色々な意見があるだろう。
経営者側からすれば、「突然アルバイトを休まれると、その穴埋めの人員手配がどれだけ大変か」という叫びが聞こえてくる。一方、雇われる側からすれば、「風邪ひきなんだか仕方ないだろう」という声が聞こえてくる。まあ、どちらの言い分も判る。
俺も以前は、雇い主、雇われ側の両方を経験したことがあるから。


しかし、労働基準法では、罰金は、給与額の10%までと決められている。上記の高校生の場合、バイトの総額は25,000`円ほど。故に、今回の行為は法律違反になる。
経営者ならばこのぐらいの常識は知っておくべきだ。
さらに、今回の場合、給与明細はきちんと印刷されたもので、そこには、全額支給になっており、手書きのメモ用紙で罰金分を書いている点からすれば、もしかするとこの経営者は、自分が法律違反をしていることを認識していたのではないかと思われる。そうなればかなりの悪質だ。


これ以外にも、ある居酒屋では、店長に笑顔で挨拶しなかった場合は、罰金100円というバカげたものまである。


さらに、コンビニのバイトでは、節分の太巻きやバレンタイン、クリスマス等々の季節商品に対し、販売ノルマを課したり、無理やり購入させたりと、まあ、やりたい放題をやっている経営者がいる。その被害に遭っているのが弱者である雇われている側だ。


売上を伸ばしたいという経営者の気持ちはわかる。また、加盟店の場合は、本部からのノルマがあるため、経営者もかなり追い詰められているというのもわかる。
しかし、だからと言って、その苦しみを従業員に押し付ける様では経営者としては失格だ。


俺の知り合いに某ハンバーガーの加盟店のオーナーさんがいたが、彼は、自らも売り場に立つ。その目的は、お客様ではなく、従業員。従業員が如何に働きやすい環境を作るべきかを最優先に考えている。その気持ちは、店舗のマネージャーにも伝わっており、マネージャーも常にその事を考えている。例えば、従業員の更衣室のテレビが古くなってくると、マネージャーが自分のポケットマネーで最新式のテレビを購入して設置する。
従業員の誕生日には、オーナーからもマネージャーからもお祝いのプレゼントがある。
彼らが口をそろえて言ったのは「スタッフが笑顔で接客してもらえる環境を作ることが自分たちの務め」という事。
但し、決してスタッフに甘い訳ではない。同じ地区の加盟店の中では、最も、社員教育にはうるさく、厳しいお店だ。


俺がアルバイトを使っている時、月に一回の月次会議には、アルバイトも参加してもらった。もちろん、バイト料を払ってだ。その席では、まず、会社より「月の売り上げ目標額」を提示する。その目標額を達成するための具体的な方法をみんなで知恵を出し合う。
実現可能なアイデアはすべて採用。もちろん、社員、バイト関係なしだ。良いアイデアは採用する。それから各人が実現可能な目標額を決めてもらう。達成時には歩合給を支給する。最初はバイトの子達は低めに設定するが、やればやっただけ実入りがあると気付き、妥当な数字を提示するようになる。全員が目標額を提示した後、不足分は、社長である俺も含めて役付スタッフのノルマだ。
社員もバイトも目標額を達成すればその分、給与が増えるので、本当によく頑張ってくれる。要は、働いた分に見合った金額が給与として支給されなければ、結局は士気が下がってしまい、その影響はお客様へのサービス=笑顔にも出てしまう。


部下にノルマを押し付ける前に、経営者自らが動き、実績を上げることが中小企業では重要だ。これは、コンビニでもドーナツ店でもハンバーガー店でも同じだ。店舗の場合は、店長自らが手本を示す必要があるだろう。店長に笑顔で挨拶しなければではなく、店長が笑顔でバイトを迎え入れなければ、そのお店は決して明るいお店にはならない。


俺達シニア世代は、今のシルバー世代の人達に徹底的にしごかれたよな。でも、今の時代、それは通用しない。今の若者は知識だけは豊富だ。でも、知恵が足りない。決して悪口を言っている訳ではない。これは、ネット社会の特徴であり、今の学校教育の特徴だと俺は思っている。
だからこそ、彼らが持っている知識に如何にして知恵をつけさせるかを教えてあげなければいけない。それが俺達の責務だと思う。
そのためには、俺達自身が手本を見せる事だ。理屈ではない。


ブラック企業、ブラックアルバイトなどという言葉が誕生することを悲しく思うよ。
そのブラックの中心的存在のほとんどが、俺達シニア世代だからだ。


今一度考えて欲しい、俺達が何故、今の地位に居るのか。それは、現場で必死に頑張ってくれる若者達が居るからだ。彼らを守らないで、一体、何を守るんだ。
自分の体裁ばかりを守っている様なら、今すぐ今の地位を返上するべきだ。あなたには、その地位に居座る資格はない。


俺はそう思うけどなあ。

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