俺の独り言(シニア男の本音トーク)のブログ

台湾東部、花蓮に家族で移住したシニア世代に突入した中年男の本音トーク。同年代に送り届けたい独り言。若い世代に残したい独り言。

一日3分。自分だけの時間を持つ余裕が欲しいよな!

台湾へ家族で移住して8年目に入った。この間に日本へ行ったのが3回。

台湾と日本は近いが、生活の基盤が台湾にあるため、なかなか日本へは足が向かない。

日本へ行っても、すでに両親は他界しているし、兄弟姉妹とは疎遠になっているため、宿泊もホテルを利用することになり、食事も外食となる。日本はすべてにおいて物価が高いので、よほどの用事がない限り、日本へは足が向かない。


昨年12月に4年半ぶりに大阪へ行ったが、到着した翌日には「早く台湾へ帰りたい」という気持ちになった。今、俺が住んでいるのは花蓮。しかも、花蓮の中でも田舎に住んでいる。故に、時間はゆっくりと過ぎていくという生活を送っているため、大阪の大都会のスピードに疲れてしまう。自分が住んでいる時は気付かなかったが、どうしてあんなにも皆、忙しそうに(実際に忙しいのだろうが)小走りで歩いているのか。

電車も2~3分おきに来るのに、みんな、慌てて乗車する。


優先座席に平気で若者が座っている。これは台湾では絶対に考えられない光景だ。

優先座席に若者が座り、その前で、高齢者がつり革を持って立っている。誰も注意する人がいない。電車が揺れるたびにその高齢者の方は必死につり革を握る。足元はフラフラだ。しかし、若者は座ったまま。この若者、さっきまで携帯を触っていたのに、高齢者が乗車してきた途端に眠りについた。催眠術にでもかかったかの様に、その若者は眠りについたのだ。

俺は思わず「すみません。こちらに高齢者の方が立ったままご乗車されています。万が一、電車が急停車した場合、大変危険です。どなたか常識のある方、席を譲って頂けませんでしょうか」と声を出した。

一瞬、周りが黙り込み、声の主である俺に注目した。そして、すぐに何事もなかったかのように、おしゃべりを続ける人、本や新聞を読む人、居眠りを再開する人等々。俺の呼びかけには誰も反応しなかった。

その反応に俺は驚きを通り越し、あきれてしまったね。日本人の道徳心はここまで低下したのかってね。

俺は優先座席で催眠術にかかって居眠りを始めた若者に声をかけた。「お兄さん、ここ優先座席だよね。優先座席の意味、にわかっているよね。目の前にご高齢の方が立っているんだから、快く席をお譲りしようよ」と。

若者は「えっ、あー」といかにも不満そうな顔をし、俺を睨み付けるような眼をし、不貞腐れた態度で席を譲った。


若者は次の駅で降りたが、降りる際に俺の方を向いて「おっさん、いい気になるなよな」とつぶやいた。

数年前までの俺ならばおそらくその若者を襟首を捕まえてホームに引きずり降ろし、何らかの行動に出ていただろうが、さすがにこの歳になるとバカな事も出来ないので、俺はその若者の腕をグッと掴み笑顔で、「兄さん、ありがとよ」と返事した。まさか俺がそのような反応をするとは思ってもいなかったのか若者は驚いた様な顔をし、思わず「あっ、いいえ」と返事して逃げるように降りて行った。


人間の本能として、「余計なトラブルには巻き込まれたくない。」という考えがある。

これは大人になればなるほど強くなるようだな。子供の頃は「○○ちゃん、そんなことしたらあかんで(ダメだよ)」って平気で注意出来たことが、大人になればなるほど、それが出来なくなる。

「見て見ぬ振り」ってやつだな。

確かに、今の世なのか、変に正義感を出すと、命を奪 われるって可能性もある。

だから、「見て見ぬ振り」「触らぬ神に祟りなし」となってしまうのだろう。

だから、皆が皆、正義感を出してとは俺は言わない。

たださ、高齢者に席を譲るって行為は、自分の意志で簡単に出来る事。


まあ、譲ってもらった側も礼儀をわきまえて欲しいけどね。

席を譲られて「そんな歳ではありません。失礼な」って怒る人もいるらしいけど、少なくとも譲ってくれた人より自分の方が年上なんだから、素直にお礼を言って座らせてもらえばいい。

当然、譲ってもらったら「ありがとう」ってお礼は言おう。当たり前の様な顔をして座るのはやめよう。


譲る側も譲られる側も、互いに笑顔で、「どうぞ」「ありがとう」と言えば、その瞬間、何だがお互いがハッピーな気分になれるだろう。


今の日本人、俺が思うに、心に余裕がない人が多いように感じるね。

仕事に追われ、時間に追われ、常に何かに追われている日常生活。特に都会では、24時間、365日、追われ続けている様に感じる。


一日の中で、ほんの5分、いや、3分でもいい。デスクを離れ、空を見ようよ。

都会の空は綺麗ではないだろうが、でも、ゆっくりと都会の空を見る余裕すら失っている人が多いようだから。

夜、家に帰って、「今日の職場上空の空はどんな空だったかなあ」と思い出してみてくれよ。思い出すことが出来ない人がほとんどだと思うぜ。

それだけ、余裕なしに動き回っていたって事。

24時間の内の3分すら、自分のために時間を作れないほど、余裕を失っていたってことだよ。


心に余裕が持てれば、新しい発想も浮かんでくる。今まで解決できなかった問題の糸口が見えてくる。


一日の中で3分、自分の時間をつくろうぜ。

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