俺の独り言(シニア男の本音トーク)のブログ

台湾東部、花蓮に家族で移住したシニア世代に突入した中年男の本音トーク。同年代に送り届けたい独り言。若い世代に残したい独り言。

聞く耳を持てば、新しい世界が見えてくる

俺は今、台湾東部・花蓮の日本統治時代50年間の歴史について、色々と研究をしている。花蓮が統治時代、台湾で初めての日本人移民村が出来たことを知っている日本人は少ない。また、神風特攻隊が花蓮空港から沖縄へ向けて出撃し、15名の特攻隊員の尊い命が散っていったという事を知っている日本人は少ない。

つい70数年前の出来事なのに、知らない人の方が多いという事は本当に悲しい話だ。


ある日本の若者と会話しているとき、「過去の出来事は所詮、過去のことであって、私達には関係ないことでしょう。大切な事は今現在と未来ですよ。」という発言があった。

確かに、今を生きるものとしては、今、この瞬間が大切であり、未来が大切である。

しかし、過去があるからこそ、今があり、未来がある。

自分自身の存在も、過去のご先祖様がいたから、今の自分が存在するわけだ。

日本人として生まれてきたのだから、最低限、日本の歴史というものを知っておく必要があると俺は思う。


台湾がどうして親日派の方が多いのか。それは、日本統治時代50年の歴史があったから。では、その50年間、日本人は台湾で何を行い、何を残していったから、今のように、日本と台湾の友好的な関係が続いてるのかを知って欲しい。

そう思い続け、俺は今の研究をしている。


前にも書いたが、俺は歴史学者ではない。だから別に研究成果を論文にして、学会で発表し、名誉を手に入れたいとは思っていない。

変に、肩書なんかがつくと、色々なシガラミがあるだろうし、今のように自由に、言いたい事も言えない環境が作り上げられるだろうし。(まあ、俺のことだから、そうなっても言いたい事を言って、学会から追い出されるだろうけどね(笑))


では、何のために研究を続けているのか。答えは一つ。未来に伝承していくため。

その方法も考えてある。当初は本を出版したいと思い、何軒かの出版社に企画を持ち込んだが、どこも相手にしてくれなかった。だったら、自分で出版すればいいと考えを変えた。

自費出版という方法もあるが、そうではなく、自分で年6回発行の小冊子を作ることにした。もちろん、有料販売。

売上金の内、三分の一は、「台湾日本人移民慰霊碑」建立のために使わせてもらう。

残りの三分の二は、俺の収入であり、今後の取材費に充当する。


何かを行動に移す際、しっかりと企画を練り、計画をたて、慎重に一歩一歩積み重ね、最終的に、やるかやらないかの判断をする。と、いうのが日本式なやり方。

だから、何事も、スタートするまで、非常に時間がかかる。

何度も何度も、俺の大嫌いな会議を繰り返し、準備万端の状態になるまで繰り返す。

このやり方について、俺は決して否定はしない。こういった細かいところまでしっかりと準備をするから、日本の技術、サービスは世界一と言われるのだと思う。


しかし、俺にはそれは合わない。もちろん、まったくの無計画ではない。骨子はしっかりと考える。「これでやれるのか?」「これで失敗はしないか」と考えがちだが、いつも言うように、「絶対大丈夫。絶対に失敗しない」などという無責任な事は言うべきではない。ただ、自分を信じるのみだ。自分が「やれる」あるいは「やらねばならぬ」という信念を持つことが大切だ。

っていうと、その信念を持てるようにするために、「事前準備には時間をかける」という反論もあるだろう。確かにそうかも知れない。だから、俺は否定はしない。でも、俺は事前準備に時間を費やすのは嫌いなだけ。新しいことへのチャレンジの場合、人間はどうしても「万が一の場合」を考えすぎてしまう。考える事は大切だが、それが過ぎると、一向に前には進むない。


やり遂げる決意、やり遂げる根気、やり遂げる覚悟があれば、物事は前に進むと俺は信じている。結果ばかりを見ていては何も出来ない。一歩前に進むから、その先が見えてくる。机上論ですべてがうまくいくなら、誰も苦労はしない。

色々な事を想定して、完全武装したつもりが、想定外の事が発生すると、たちどころにパニック状態になる。理論武装し過ぎるほど、パニックは大きい。

今の時代、何時、何が起こるかわからない。神でない限り、先のことなどわからない。

何事もし過ぎると、逆に、少しのことで潰れてしまう。逆境に弱くなる。応用力がなために、想定外の事が発生すると、手の打ち方すらわからないという状態になる。


では一体、どうすればいいのか。俺が思うに、まずは、常日頃から、耳はダンボにしておけって事。口は必要ない。耳だ。様々な情報を自分の耳で聞き、それをしっかりと脳の引き出しに入れておくことだ。

自分には直接関係のなさそうな事でも、ちゃんとファイリングしておけば、どこで役に立つかわからない。


妻の一言、子供の一言から、新製品が誕生したというケースもある。

俺の記憶違いでなければ、洗濯機、炊飯器も妻の一言から開発が始まったはずだ。


俺たちシニア世代の男にとって、最も大切な事は、聞く耳を持つことだと俺は思う。

会社内でも、家庭内でも、常に、聞く耳を持って欲しい。自分の意見を、考えを、自分の立場を利用して(ちょっと表現は良くないかもしれんが)、無理矢理に押し付けるようなことはせず、会社では自分の部下、家庭では妻や子供の話を聞くという事が本当に大切だと思うぜ。意外と、聞く耳を持っていないシニアオヤジが多いように思う。


ほら、大昔のCMであっただろう。「男は黙ってサッポロビール」ってのが。

あれだよ。聞く耳をしっかり持っていれば、自分の考えを押し付ける事なくなるし、家庭も円満にいく。


俺も今回、小冊子を作ると決めたのは、妻の一言だった。俺が、「なかなか出版社が話を聞いてくれないよ」と嘆いたとき、「だったら、自分で作ったら。本当に欲しいと思う人にだけ販売すればいいんじゃないの。別に、立派な本にしなくても、中身がしっかりしていれば、自然と購読者は増えると思うよ」この一言で決意した。

出版社へのアプローチをしながら、心のどこかでは「自分でやったほうが早いし、制約もないし、自由なんだが」という気持ちがあった。その俺の心を妻は見抜いていたのかもしれない。妻と会話がなければ、妻が聞く耳を持っていなかったら、この決意には至らなかったかもしれない。


夫も妻も、父親も母親も、会社の偉いさんも、みんな、聞く耳を持とうぜ。

きっと、新しい世界が見つけられるよ。




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