俺の独り言(シニア男の本音トーク)のブログ

台湾東部、花蓮に家族で移住したシニア世代に突入した中年男の本音トーク。同年代に送り届けたい独り言。若い世代に残したい独り言。

子供の声、ちゃんと聞いているかい?

子供はいつの日か必ず、親元から飛び立っていくものだ。
子供が小さい時は、子供の将来のために親は必死に色々と考える。習い事や塾に通わせ、少しでも多くの知恵と知識を学ばそうとする。
それが子供にとって喜ばしい事ならば、隠れていた才能を引き出すことも出来るだろう。
しかし、逆に、子供にとって苦痛ならば、子供はその苦痛から抜け出すために、嘘を覚える。一度、自分のついた嘘が上手くいけば、子供は本能的に自分の身を守るために嘘をつくようになる。何の罪悪感もなく、平気で嘘をつくようになる。
しかし、このことで子供を一方的に叱るのは如何なものかと俺は思う。
子供に嘘をつかせるまでに追い込んだのは大人自身なのかもしれないから。


大人は時として、自分の価値観を子供に押し付けようとする。
自分が正しいと思っている事を、子供の気持ちや感覚を無視して、一方的に押し付ける。
子供は大人の前では無抵抗だ。無力だ。言いなりになるしかない。


「子供の声を聞いている」「子供の気持ちはちゃんと理解している」と言うが、本当なのだろうか。一度でも自分の価値観を子供に押し付けたことがある場合、子供は「いくら自分の気持ちを訴えても聞き入れてもらえない。怒られるだけ。だったら、黙っていた方がいい」と思い込んでしまう。
そうなると、なかなか本当の気持ちを聞きだすのは難しくなる。


親が一方的に自分の価値観を子供に押し付けてしまっている場合、子供は、別の理解者を求める。そう、何の責任もない他人の大人に理解者を求める。
俺達の年代になれば、人の子から相談を受けた経験ってあるだろう。
そんな時、大人は変に理解のある大人になる。自分の子供には見せない、もう一つの顔を見せる。それは、はっきり言って責任がないから出来る顔なのだと俺は思う。


俺は人の子から相談を受けた時、必ず言うことがある。「親には相談したか?」すると必ずと言っていいほど子供は「親は私の気持なんかわかってくれない」とね。
だから俺は「そうかあ。と、いう事は、君も親の気持ちなんてわかっていないってことだな。お互いが、気持ちがわかっていないと思い込み、正直な気持ちを伝えていないのだから、誰に相談しても、君の問題は解決などしない。もしも君が、自分一人で正直に自分の気持ちを打ち明けられないのなら、俺が一緒に立ち会ってあげる。」と答える。
絶対に、その子の相談内容についての俺の考えは述べない。俺はそこまで無責任にはなれない。


日本に居るころ、何度かこういった場面があって、相談に来た子と一緒に、その子の親に会った事がある。もちろん、俺はその場で俺の考えを言うことはない。大切なのは、親が子供の気持ちを聞くって姿勢だから、その事に集中する。
場面によっては子供の言うことに「考えが甘い」の一言で、そこから先を聞こうともしない親がいる。特に、父親。


そんな時は父親をなだめるが「他人のあなたには関係ない。これは親子の問題だ」なんて怒鳴られる事もあった。だから俺は「そう、これは親子の問題。他人の俺には関係ない話だ。しかし、あなたがそういった姿勢だから、子供は外に助けを求める。そのことをまず、親として恥じるべきでしょう。そして、反省すべきでしょう。親だって完璧な生き物なんかじゃない。俺も、あなたも、奥さんも、みんな不完全な生き物。失敗もする。見落としもする。でも、大人に出来る事は、その自分の失敗、見落としを素直に認め、修正し、そして、改める事。今、こうやって、自分のお子さんの声を始めて聞いて、動揺もしているだろうが、子供の声を、正直な声を聞き逃していた自分がいたという事を素直に認め、改めて、子供の声に耳を傾けてやるのが親でしょう」と言い返した。


一番理解し合えていると思っている親子関係。しかし、本当に子供の声をきちんと聞いているだろうか。心の叫びを聞いているだろうか。
知らず知らずに、自分の価値観を押し付けていないだろうか。
もう一度、その点をしっかりと見なおす、そういった時間も必要だと俺は思う。


最も理解し合えるのが家族。だからこそ、見直す時間も必要。

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