俺の独り言(シニア男の本音トーク)のブログ

台湾東部、花蓮に家族で移住したシニア世代に突入した中年男の本音トーク。同年代に送り届けたい独り言。若い世代に残したい独り言。

自分の身は自分で守れ。誰も味方はしてくれない。それが台湾。それが海外。

台湾では日本同様、交通事故は日常茶飯事である。
しかし、日本と一番違うことは、事故が発生した直後の周りの対応である。


台湾と言えば、311の際、最も多くの義援金を送ってくれた国であり、とても親切な人が多い。それは間違いではない。実際、台湾で日本人観光客が道に迷っていると、声をかけてくれ、その場所までわざわざついて来てくれたという話はよく聞く話だ。
世話好きで、困っている人に声をかけてくれ、電車等々では、高齢者や妊婦さんに席を譲ってくれる、本当に親切な一面を持っている。
しかし、これが全ての顔ではない。
日本人はこの一面だけを見て、すべてがそうだと決めつけてしまう傾向が強い。


台湾人は下手に人のもめごとに関わるという事を極端に嫌う。
その最たるものが、交通事故。


まずは、この動画を見てもらいたい。かなり衝撃的な場面もあるので注意して閲覧して欲しい。


これは特別な事故ではない。台湾のどこの街でも、日常茶飯事に発生している事故だ。
ほとんどが、無謀運転。信号無視、見切り発車、スピードの出し過ぎ、後方不注意が原因の事故。


バイク大国の台湾では、バイクの事故が恐ろしいほど多い。
バイクの免許があまりにも簡単に取得出来る事にも原因があると思うが、とにかく、運転技術は未熟。にも関わらず、スピード超過、前しか見ていない、自分勝手な運転。


特に、注目して欲しいのが、事故発生時の周りの反応だ。日本ならば、誰かが必ずと言っていいほど車やバイクを停め、人命救助に向かう。救急車を呼ぶ人、けが人を介抱する人、時には、蘇生術を施し、その結果、命が救われたというケースもある。


しかし、台湾では、周りの人間たちはほとんどが素通り。誰も救助には駆けつけない。
そう、これが台湾の交通事故の際の台湾人の対応なのだ。


「下手に関わって、後で何か言われるのが嫌だ」「災いが自分にも移るのは嫌だ」「万が一、死亡事故の場合、不幸が自分にも振りかかる(迷信)」「自分の事は自分で処理すればいい」これが無関心の主な理由だ。


台湾には数多くの神様があり、皆が信仰深い。信仰深いなら、こういった時に、手助けするのではないかと思われるだろうが、信仰深いが’故に、様々な迷信を信じている。
「人の災い」に関わると、自分にも災いが振りかかると強く信じられている。
これも困ったものだと思う。


台湾では、自分の身は自分で守るしか方法はない。そのために、まず、自動車には、ほとんどの車がドライブレコーダーを装着している。万が一の時の証拠にするためだ。
また、とても変な話だが、事故現場を偶然、撮影した場合、これをテレビ局などに投稿すれば、謝礼が出る。故に、台湾のニュースには、数多くの一般市民からの投稿ビデオが使用されているため、リアルな映像がよく流れている。


たまに、交通事故現場で人命救助に駆け付けた一般市民がいると、英雄として何度もニュースで報道され、新聞でも一面を飾るほどだ。


俺はいつも、機会がある度に訴えていることがある。
台湾へ旅行に来て、レンタカー、レンタバイクを利用する際は、それなりの覚悟をして欲しいと。万が一、事故に巻き込まれた時、ここは海外。はっきり言って、観光客には絶対的に不利。刑事裁判、民事裁判には時間を要し、相手は、こちらが外国人居留者もしくは、外国人観光客だとわかると、出国停止命令を裁判所に要求する。そうなると、全ての裁判が終了するまで、出国は出来ない。裁判には、刑事で半年以上、民事ならば最短で一年は覚悟しなければならない。民事に関しては、調停で和解という方法があるが、これも、調停開始まで最短で一か月は要する。
俺も、一昨年、被害者となった。事故責任は100%相手方にあったが、それでも、刑事、民事で半年以上かかった。その間、相手は、一銭のお金も出さず、修理代、治療費はすべて一旦、こちらが立て替えとなった。


台湾で自分でバイク、車を運転するならば、常に、事故が発生した時のことを想定して、最低、ドライブレコーダーの準備と、事故発生時にこちらの主張が出来るだけの語学力は持っていてほしい。言葉が判らないので、つい、うっかり「はい」と言ったがために、後で、自分が不利な立場に追い込まれることが外国人には多い。


はっきりと言っておこう。
台湾では、自分の身は、自分で守るしかない。これを忘れないで欲しい。
だれも、あなたの味方はしてくれない。

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